2025.3.31 アンモニア燃料自動車運搬船の基本設計承認を取得

 当社新来島どっくは、このたび一般財団法人日本海事協会(以下、「NK」)からアンモニアを主燃料とする自動車運搬船の基本設計承認(AiP:Approval in Principle)を取得しました。
 アンモニア燃料は、2023 年7 月に国際海事機関(以下、「IMO」)の第80 回海洋環境保護委員会(MEPC80)にて採択された「2023 IMO GHG(温室効果ガス)削減戦略」において新たに強化された排出削減目標「2050 年頃までにGHG 排出ゼロ」の達成に向けてゼロエミッション燃料として注目が集まっております。他方、アンモニアは非常に強い毒性を持つため、人及び船舶への被害を最小限に抑える為の十分な安全対策が必要となります。
 当社は、2021 年にアンモニア燃料自動車運搬船によるAiP を取得するなど、アンモニア燃料船の開発を進めて参りました。今回2024 年8 月に改訂されたNK 発行の最新ガイドラインである代替燃料船ガイドライン(C 部アンモニアを燃料として使用する船舶の安全に関するガイドライン(第3.0.2 版))を前提に、2024 年9 月に開催されたIMO の第10 回貨物運送小委員会(CCC10)にて合意され、2024 年12 月に第109 回海上安全委員会(MSC109)にて承認されたアンモニアを燃料として使用する船舶の安全性に関する暫定ガイドラインに適合した設計を行い、図面審査並びにリスク評価(HAZID:Hazard Identification Study)を完了しました。
 アンモニア燃料船として追加要求される設備、アンモニア燃料タンク内のアンモニア貯蔵及び制御方法、安全装置、毒性区画は最新ガイドラインを満足したものとしております。また、リスク評価では三菱造船株式会社にも御協力を頂き、メーカー・船級・造船所での多方面の目線において潜在的なアンモニア漏洩リスクの洗出しを行い、漏洩リスクに対する安全対策をより確実なものとしました。
当社は、これまで培ってきたLNG 燃料自動車運搬船の知見を基に、今後も環境負荷低減技術を活かし、環境規制強化に対応した船舶の開発や提供に取り組み、日本の海事産業の発展に貢献して参ります。

主要目
船種:自動車運搬船
主寸法(LBD):196.00m×38.00m×14.50m