その他、新来島どっくグループでは、貨物、航路、お客様の思いに合わせた船を一隻一隻建造しております。
豊富な建造実績の中から、建造事例としても珍しいレール運搬船とビレット運搬船をご紹介いたします。
レール運搬船Rail Carrier
世界最長の製造・出荷長さとなる150メートルの鉄道用レールを船舶で輸送するという新しいコンセプトで開発・建造された画期的な船です。
日本は長年にわたり鉄道用レールを全世界に供給してきました。日本製鉄道用レールは、耐摩耗性・耐表面損傷性に優れ、世界で唯一150メートルの長さで製品化されています。
しかし、従来は輸送に使用する船舶の構造的な制約から、長尺レールを6分割して輸出せざるをえませんでした。
本船最大の特徴は、長さ約155メートルの単一の貨物倉です。通常の外航貨物船は貨物倉が水密隔壁で仕切られており、積載できる貨物長さに制限がありましたが、
本船は必要な強度・安全性を維持しつつ、この隔壁を取り払うという独創的なアイディアに基づいて設計されています。これにより、従来は25メートルの長さに分割して積載していたレールを150メートルの長さで輸送するという世界初のプロジェクトを実現しました。
本船により、鉄道事業各社におけるレール溶接数削減等による線路保守作業の軽減に加え、より一層の軌道安定化に貢献しています。
セールスポイント
約150メートルの長さのレールを、1つの貨物倉に50トンクレーン3基を使って積載します。
クレーン3基はシンクロ動作、遠隔操作が可能で、船主殿、運航者殿、荷主殿の各種ノウハウを取り入れた特殊な船です。
要目
全長 | 約190m |
---|---|
幅 | 約28m |
深さ | 約14m |
ビレット運搬船(RORO船)Billet Carrier
鉄鋼半製品であるビレットを専用に輸送する船です。
本船は製鋼所の鉄鋼事業構造改革に伴う鉄鋼半製品輸送の増加に対応し、コスト削減と輸送の効率化を目指した新物流体制構築の一環として建造されました。
RORO船(ロールオン・ロールオフ船の略称)とは専用パレットを専用キャリアカーが自走により積み下ろしする荷役方式の船舶です。
一般的なRORO船の場合、ビレットという長くて重い重量物を積み込む際、ビレットを積んだトレーラーがランプウェイを進むにつれて、船の片側に
大きな荷重がかかることで船が傾き、荷役作業に危険が伴います。
本船は船体形状やバラスト水調整装置等の工夫を重ね、荷役作業の進行に応じて常に船を水平に保つことを可能とした画期的なRORO船となっています。
セールスポイント
150トン以上の運搬用キャリアの自走荷役を行う特殊な船です。
重量物が船内を走行するため、荷役中の船の姿勢制御が重要であり、大容量のバラスト能力を持っています。
浅い喫水で航海できる特殊な船型となっています。
要目
全長 | 約102m |
---|---|
幅 | 約27m |
深さ | 約17m |