自動車運搬船(Pure Car Carrier、以下PCC)は自動車を専用に運ぶ船です。
PCTC(Pure Car and Truck Carrier)と呼ばれることもあります。

船内は何層ものデッキに分かれ、全体的にショッピングモールの自走式立体駐車場のような構造をしています。

貨物となる自動車やトラック、重機を専門のドライバーが運転し、船のランプウェイ(船と陸上とを橋渡しする設備)から船内に積み込みます。(場合によっては鉄道車両やヘリコプター等の多種多様な貨物を運搬します。)


かつて船を使った自動車の輸送は他の貨物と混送させることが一般的でしたが、1960年代以降日本の自動車生産が活発になると、
車体に海水や傷が付かないよう自動車輸送に特化した船が求められました。


新来島どっくでは1973年に日本初の大型PCC(4,200台積み)を建造し、以降200隻を超えるPCCを世に送り出してきました。
2020年に建造された日本初の大型LNG(液化天然ガス)燃料船「SAKURA LEADER」は高い環境性能を評価され、
シップオブザイヤー2020を受賞しました。

セールスポイント

PCCは、自動車からトラック、重機、鉄道車両等の重量や形状が多種多様な貨物を積載させるための柔軟性が求められる、設計、建造が最も難しい船種のひとつです。
主カーゴである完成自動車は環境性能を追求しており、そのような環境に配慮された貨物を運ぶため、PCC自体も環境性能(速力と燃費)や、高度な製品積載性能を求められる船です。

そのため、当社独自の技術開発による環境技術が数多く採用され、船体の軽量化や抵抗の少ない推進性能を向上させるするための、ありとあらゆる検討等を経て、現在の船型が出来上がっています。

当社において、PCCは環境性能を追求する船種のひとつであるため、使用燃料を従来の油燃料だけではなく、環境負荷が小さいLNG燃料モードでも航海できる二元燃料化が主流になりつつあります。


今後は、アンモニア、メタノール、水素等があらたな燃料として挙げられており、当社では2021年にアンモニア燃料で航行できるPCCのAIP(Approval in Principle、設計基本承認)を取得しています。

要目

積載台数 7,000台クラス
全長 約200m
約38m
深さ 約38m

建造実績